どんな職業か
乗客や貨物をのせた電車を運転し、安全かつ正確に目的地まで運ぶため、発車の準備、運転、到着後の報告、事故があった場合の処置などを行う。鉄道路線によっては電気機関車を運転する場合もある。 運転前には、所属する電車区・運転区で点呼を受け、キーと運転予定の書かれた時刻表を受け取る。担当車両のモーター等に通電して車両の調子を点検する。ブレーキやパンタグラフ(集電装置)を作動させ正常であることを確認して、車庫から電車を出庫させ駅のホームまで移動させる。 駅では乗客が安全に乗降したのを確認し、車掌がドアを閉め、その出発合図に従って電車運転士が信号を確認し、発車する。運転中は、信号や踏切、線路の状態に注意し、車両の型、車両数や車両のくせ、混み具合や積載量、天候などにより加速・制動の具合が変わるので、これらに十分に配慮して時刻表どおりの正確な発着に努める。また、到着時間の遅れや病人の発生などの不測の事態に際しては適切に対応し、できるだけスムーズに電車を運行させる。決められた区間の運転が終わると、次の運転士に交替し、所属する電車区・運転区の助役に運転状況を報告する。 万が一事故が起きた場合には、被害を最小限にくいとめるよう車掌とともに乗客の救出や誘導を行い、運行司令室等に連絡し指示を仰ぐ。また、列車を何らかの事情で駅間でとどめる場合には、後続の列車を緊急停車させるなど適切な措置を取る。 ワンマン運転で、車掌の乗務がなくなり、電車運転士が一人で運行する路線も増えている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 電車、ATS(自動列車停止装置)、ATC(自動列車制御装置)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 操作と制御 | 4.4 | 3 / 498 | 上位1% |
| 計器監視 | 3.5 | 19 / 498 | 上位4% |
| 傾聴力 | 3.4 | 405 / 498 | 上位81% |
| 指導 | 3.3 | 302 / 498 | 上位61% |
| 時間管理 | 3.3 | 190 / 498 | 上位38% |
| 故障等の原因特定 | 3.2 | 64 / 498 | 上位13% |
| 読解力 | 3.2 | 358 / 498 | 上位72% |
| 説明力 | 2.7 | 433 / 498 | 上位87% |
| 文章力 | 2.4 | 434 / 498 | 上位87% |
| 対人援助サービス | 2.3 | 368 / 498 | 上位74% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 輸送 | 3.1 | 7 / 508 | 上位1% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.3 | 394 / 508 | 上位78% |
| 機械 | 1.2 | 162 / 508 | 上位32% |
| 教育訓練 | 1.2 | 235 / 508 | 上位46% |
| 数学 | 1.1 | 208 / 508 | 上位41% |
| 物理学 | 1.0 | 180 / 508 | 上位35% |
| 心理学 | 0.8 | 387 / 508 | 上位76% |
| 公衆安全・危機管理 | 0.6 | 436 / 508 | 上位86% |
| 法律学、政治学 | 0.6 | 371 / 508 | 上位73% |
| 通信技術 | 0.6 | 350 / 508 | 上位69% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.9 | 1 / 426 | 上位1% |
| 色の違いを見分ける力 | 3.9 | 3 / 426 | 上位1% |
| 遠隔視力 | 3.8 | 1 / 426 | 上位1% |
| 聴覚の感度 | 3.8 | 3 / 426 | 上位1% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 3.6 | 3 / 426 | 上位1% |
| トラブルの察知 | 3.5 | 111 / 426 | 上位26% |
| 奥行きの知覚(遠近感覚、深視力) | 3.5 | 6 / 426 | 上位1% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.4 | 21 / 426 | 上位5% |
| 近接視力 | 3.3 | 6 / 426 | 上位1% |
| マルチタスク | 3.1 | 62 / 426 | 上位15% |
仕事内容
- 電車や電気機関車を運転し、ダイヤにしたがって、旅客や貨物を安全、正確に輸送する。
- 運行計画に基づき、乗務前に各種の連絡事項を確認してから担当する電車に乗務する。
- 運転前に、機器類の点検、安全装置のチェックをする。
- 各種表示灯の点灯、信号標識灯を確認したうえで、電車を発車させる。
- 駅のホームの停止目標に合わせて停車する。
- 扉が完全に閉まったかどうかを確認してから発車させる。
- 路線の状況に応じて速度を調節し、信号機、標識、線路の状況に注意しながら、ダイヤにしたがって運転する。
- 安全な運行を心がけ、必要に応じて警笛を鳴らす。
- 事故などの緊急時には、非常装置を作動させ、安全を確保するべく対応する。
- 脱線や線路の不具合を発見したときは、列車防護無線やスイッチを操作して他の列車を止める。
- 車両が運転中に故障したときには、マニュアルにより適切に対処する。
- 旅客の忘れ物や急病に対応する。
- 車両の入庫の際は、各種の計器やスイッチ類を点検し、運転状況を報告する。
- 乗務終了後に運転した列車の運転状況や車両状態を担当上司に報告する。
- 貨物列車を運転する場合には、連結された貨車の重さに応じた運転をする。
- 列車の連結や分割を行う。
- ワンマン路線区間で、車内放送や車内の温度調節を行う。
なるには
電車運転士になるには、運転する動力車種に応じた運転免許が必要となり、身体検査、適性検査、法令や車両構造に関する試験、運転実技などの試験を受ける。国が指定する養成所を持っている大企業では運転講習課程の訓練を受けて合格基準に達すると国家試験が免除される。 一般には、鉄道会社に入職後、駅務員や車掌を一定期間経験した上で運転士として選抜され、養成所で教育訓練が行われる。その後、運転士見習として約半年間、運転技能の指導を受ける。電車運転士になった後も日々の運行の中で運転技能を磨いていく。定期的に非常時の訓練を受け、安全に対するスキルの向上を図る。昇進試験によって運転区所の所長や助役、駅長に昇進する道も開かれている。 様々な状況に迅速に反応できる能力、沈着冷静に適切な判断を下せる能力が必要とされる。突発的な事態に備えて常に注意を集中させなければならないため、持続的に緊張感を保てる粘り強さも必要とされる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.8 |
| 大卒 | 0.6 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.0 |
関連する資格
- 動力車操縦者(鉄道)運転免許
給料
賃金構造基本統計調査では「鉄道運転従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 419千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,283.3千円 |
| 平均年齢 | 42歳 |
| 平均勤続年数 | 20.4年 |
| 労働者数 | 3,293人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤328.5千円
- ≤372.4千円
- ≤396.7千円
- ≤429.2千円
- ≤479.4千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「輸送・機械運転従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率3%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人42.7千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比3%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比2.2%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
輸送・機械運転従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 輸送・機械運転55%
- 販売9.6%
- 専門的・技術的職業7.1%
- サービス職業6.5%
- 生産工程6.4%
- 運搬・清掃・包装等5.7%
- その他9.6%
この分類に入った人のうち、45%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先はJRや第3セクター運営の場合は全国におよぶが、大手私鉄は、首都圏・都市圏に就業者が多い。また、地方私鉄のある地方都市にも勤務先はある。 鉄道は昼夜を問わず通年運行しているので、交替制で勤務し、休日も交替でとる。夜間や早朝勤務の他に宿泊勤務もある。就業者は男性がほとんどだったが、女性の運転士もみられるようになっている。 賃金の水準は、鉄道会社によって異なるが、月給制が多い。 電車運転を支援するATS(自動列車停止装置)やATC(自動列車制御装置)は既に広く普及している。また、列車運行の一部若しくは全てを自動化するシステムを導入している路線もある。そして、最近では従来の路線での自動運転に向けた開発や試験走行も実施されている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 鉄道車掌近さ 0.831
- 路線バス運転士近さ 0.758
- 観光バス運転士近さ 0.731
- トレーラートラックドライバー近さ 0.721
- トラックドライバー近さ 0.683
- 港湾荷役作業員近さ 0.653
- 駅務員近さ 0.647
- タクシー運転手近さ 0.634
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)